▲ [column] ハロプロ構造改革に隠された真意 / 2002.8.2
後藤真希、保田圭の卒業。
以前の自分自身が書いたコラムを読み直すと、3月14日付けのコラムですでに私は次に卒業するのは後藤であると言っていたわけだし、保田の卒業に関しても秒読み段階であったことは分かりきったことだったため、この事実を知った時、私としては特に驚くことはなかった。
むしろ、やっと事実を発表したかと。そう思ったほどである。

この二人の卒業はとっくの昔から分かっていたことだったわけだが、今回の発表で私が最も驚き、そして絶望したのが各ユニットの人事再編成により行われた「構造改革」である。
今回のこの措置の結果から、この行為の裏に隠された真意、そしてこの後のハロプロの展望が手に取るように分かったわけだが、悲しいかなそこから出てきたのは、「ハロプロ幼児化」にはもう歯止めをかけることはできないという、あまりにも無念で腹立たしい結論だった。

今回のこのユニット再編成の表面的な戦略とは、第5期メンバーの本格的なフィーチャリングであるのは恐らく誰もがわかることであろう。そしてこれは残った年長組メンバーの卒業が、もはや時間の問題であるということも同時に意味する。

つまるところ、この再編成の一つの目的は、4期メンバー以降の年少組が娘。のメイン、中心としての担い手となるための下準備ということである。事によると、今後安倍、飯田、矢口の3人同時卒業という事だって十分あり得る。
そしてその結果、実質上モーニング娘。は我々の言うところの、我々が思っているところのモーニング娘。ではなくなってしまうのだ。名前だけを引き継いだ完全に違う媒体へと変換完了となるのだ。もうすでに全く違うものになってしまったと考えることも出来るが。

しかし、ここまではあくまでも表面的な部分であり、これとは別の隠された真意が実はこの改革には存在する。

今回のこの再編成の結果に対する意見を見てみると、大半が批判的なものばかりである。様々なサイトで批判的な意見が飛び交い、ともすれば娘。を筆頭にハロプロ全体が完全に崩壊するとも思わせるような勢いである。ネット上でのこの大反響をつんく♂、事務所等が知らないはずはなく、全く想像していなかったとは考えにくい。

ネットでファンサイトを覗くことは、どのメンバーがどのように思われているかの調査にはうってつけだ。娘。系サイトがここまで溢れている現状、なんら労力を使うことなく人気調査が出来るのだ。こんなに経済的で、かつ的確にファンの気持ちを確かめることの出来る手段を利用しないわけがない。そうなると当然今回のように、「タンポポは完全に終わった。もうあんなもんはタンポポじゃねー。ふざけんな!」等の批判がネット上で飛び交うことは分かっていたのだ。

だとしたら何故この様な批判が出ることを知りつつも、今回の様な一見不毛とも思える改革を行ったのか?

後藤、保田の卒業はもちろん、このユニット再編成は突然決まったことではなかった。もうかなり前からつんく♂内では決まっていたことであったのだ。当然この事実を知ったヲタどもの否定、批判があるであろうことも十分承知していたために、実はそのための対策をつんく♂はここ数ヶ月で考え、実行してきていたのだ。

その対策こそが、まさしくハロープロジェクトキッズを筆頭とした「ハロプロの完全子供向けアイドルへの変換」だった。

言うまでも無く、これが今回の構造改革の隠された真意であり、私が以前から「不可解なるシャッフルユニット」や、「「Do it!Now」に託された最後の希望」のコラムで懸念してきたことに対する答えでもあったのだ。
今回のこの構造改革という措置から、私の中にあったここ最近のハロプロの不可解さ、ハロプロに対する様々な疑念が全て一つに繋がった。

ネット上を飛び交っている批判的な意見の大部分は、発足当時から娘。を知り、そして今までの経緯を全て見てきた人間のものである。そう、批判的な意見は全ていわゆる「ヲタ」といわれている人間達のものなのだ。
もちろん、「ヲタ」達、つまりは消費者層としてターゲットとしている媒体を敵に回すことがいい結果を生むわけがない。しかし、ターゲット層を変換してしまえば何の問題はないのではないか。つんく♂の頭に一つの名案が浮かんだ。それが何度もいう「ハロプロの完全子供向けアイドルへの変換」であった。

新垣をコネ餓鬼と罵って批判する人間は全て「ヲタ」である。小学生あるいはそれ以下の子供達に、新垣をコネ餓鬼と罵る輩は皆無だ。
つまり、新垣がタンポポの一員として活動すること、飯田、矢口、加護がそろってタンポポから脱退することを良しとしないのは、以前までハロプロが消費者層のメインとして考えていた「ヲタ」達であり、「子供」達をこれからの消費者層としてターゲット変換した今、もはや不必要となってしまった「ヲタ」どものこの様な批判は何の問題もないのである。むしろ子供にとってはすでに20歳を越えている飯田よりも、自分達と歳も近い新垣のほうが親しみやすいというものだ。これからのハロプロの展望を考えた上で、タンポポに飯田を残すよりも、新垣を加入させた方がずっと効果的な結果を生むと考えたのだ。

ここまで視野に入れ、数ヶ月前から始まっていた改革であったとは正直驚いた。ある意味見上げたものだ。

今回の改革は一見不毛とも思え、その実何ら不毛でもなんでもなく、今後の更なる成果をも予測させる程の改革である。不毛と思うのは、我々が現状の娘。以前からの娘。を知り尽くし、その変移の全てを見てきた人間だから。
中傷も批判も否定も全て予想していたことであり、確実につんく♂の計算通り事が運んでいる。何一つ計算違いはない。いくらヲタどもが叫んだところで、なんの効果もないのだ。なぜならばヲタはもうハロプロに必要とされていないのだから。

「100%ヲタ決別宣言」、「100%ハロプロ完全子供向けアイドルへの変換」がついに完成してしまった。
今思えば、ミニモニ。の発足、その後の大ブレークがこの結果を生んだ予兆だったのだ。ミニモニ。が子供達の間で大ブレークしたときに、この結果を予測することが出来ていれば、もしかしたら今頃は違った結果となっていたかもしれない。今更こんなことを言ったところで、もう完全に手遅れなのだが。

ヲタが突きつけられたあまりにも受け入れがたい現実。
真の娘。は「セカモ」の時だ。本当のタンポポは今でも「TANPOPO1」の時だ。何の効果も持たないヲタどもの叫びがただただむなしく響くばかり。果たしてこの後世の中のヲタどもはどのような行動をとるのか。色々な意味で非常に見ものではあるのは確かだ。

ちなみに私は今回の一件で娘。に対してはかなり気持ちは離れた。
いや、むしろ離れなければならないのだ。いつまでも応援するわけにはいかないのだ。
なぜなら、これからのハロプロは紛れもなく対象年齢10歳以下なのだから。

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